大室山の山焼き
先週雪のため延期となった大室山の山焼きが本日行われました。
700年続く伝統行事だそうで、神事の後、正午の点火は松明で行われます。
宿から見ると、火は山裾よりまっすぐかけあり赤い炎の筋となり、そのまま山肌をなでるように移動しつつ山を焼いていきました。
「武蔵野を今日はな焼きそ
若草の妻もこもれり 我もこもれり」
山焼きの様子をみながら、ふと伊勢物語の歌が浮かんできました。
(武蔵野を今日だけは焼かないでください。あの人も私もここに身をひそめているのですから。)
枯草の中に息をひそめて身を隠している恋人たち。役人は、そこに火をつけて二人をとらえようとしています。その時に女性が詠んだ歌です。
枯草の焼ける速さはおどろくほど速かったです。恋人を助けたいと願う彼女の必死の思いが今日初めて感じられたような気がしました。山焼きを見た小さなおまけです。